レジェンドに学ぶ勉強会 ケリーバッグ

1月から、毎週末4回にわたって、憧れのケリーバッグを制作する勉強会に参加しました。

「ケリーバッグ」は、1935年にエルメスが馬具を運ぶバッグを元に作った女性用のハンドバッグで、モナコ王妃グレース・ケリーが持った事から世界中で有名になり(それでケリーバッグと呼ばれるようになった)いまもエルメスを代表するバッグとして、知らない人はいないほど人気のバッグですよね。

デザインは、台形型のフォルムでワンハンドル、こんなかぶせ蓋のある上品なスタイル。女性なら見ているだけで気分があがります。(こちらは先生の作品です。私はまだ未完成で、お見せできなくてすみませんm(__)m)

エルメスのバッグはすべて手縫いで作られています。中でも、ケリーは特別に手がかかるので、ベテランの職人さんでも20時間はかかる言われるバッグ。それは、型紙も出来ていて、裁断も出来て、革漉きも出来ていて、作るだけで20時間ですから、この勉強会では、作り方を学ぶのため、手縫いとミシン縫いを組み合わせての制作するという事になっておりました。

という事で、まずは革選び。
バッグを作るうえで最も大切なのが、バッグのデザインに合う革を選ぶ事。
本当なら、革を決めてからデザインを考えた方が良いと言うくらいですが、今回はケリーバッグと決まっているので、ケリーに使っているような革のイメージで探します。

適度な張りのある、柔らかすぎない質感で、革の切れ目がしまっていて、傷が目立たない型押し。
贅沢を言うなら色もきれいな革。色は、赤が大好きで赤ばかり作ってしまうので、今回はロイヤルなブルーはいかがでしょう♪

制作に入る前には絵を描きます。これで漠然としたイメージではなく、具体的に全体のバランスや仕様を把握しているかがわかるという事なのですが、、、気が小さくなっているせいか、絵まで小さくなってしまいました〜

そして、型紙制作。
ここできちんと型紙を作らないと、後でそのずれが必ず自分に返ってくるというとても神経を使う工程です。

アパレル時代はこの「型紙」を作る仕事をメインにしていたのですが、モノ作りのスタートにあたるパターンの仕事は、いつもわくわく楽しいものでした。

型紙が完成し、革を裁断したら、一番最初に制作するのはハンドルです。
エルメスでは中の芯もすべて革を使っていますので、私達も革を丸く削って持ち手の芯を作ります。

豆カンナと革包丁で、少しずつ均一に革を削って。
私はこの作業にほぼ1日がかり。ワンハンドルで1日!あぁ2本でなくて良かったです。

持ち手の革を裁断して、真ん中に出来上がった革の芯を据えました。

表から見るとこんな感じ。

余分なところをカットして、

芯の際にミシンをかけて、

革の切れ目に、色を合わせて作ったブルーの塗料を塗って仕上げます。

次に根革(持ち手の付け根に付ける革)も作ります。 これもほぼ1日がかり、まるで彫刻作品のようなケリーバッグ。

本体に手縫いで縫いつけます。

この勉強会は、基本的にバッグが作れる人を対象とし、先生のアトリエで説明をお聞きしたら、作業は持ち帰って自宅で行います。
裁断やハンドル作り、裏地の仕立て、何もかも試行錯誤で制作しました。

最終日は金具を取り付けるところまで進み、金具がつくと一気にケリー化☆☆☆ この先は、またもや試行錯誤しながら自力で仕上げる事になっています。

さて、憧れのケリーバッグも素敵ですが、教えてくださった金田先生 は、ほんとに素敵な方で「レジェンド」と呼んで尊敬しているもの作りの大先生なのです。
バッグでもなんでも作ってしまう先生は、ライフワークで革のぬいぐるみを制作されていて、アトリエの中はまるで動物園!入り口にはブレーメンの音楽隊もいますし、(先生の許可を頂いてアップしております。)

道具コーナーにあるブランコにカラスが乗っていたり、

マダムなゴリラもいます。マダムにアクセサリーをプレゼントしている先生が大好きすぎるんですけど。
今回は、「おほほほほ 私に似合いそうなケリーバッグ、きれいに作ってちょうだいね!」って声も聞こえたような。

ライオンに、熊に、ペリカンに、この他にも、象、きりん、サイ・・・とにかくたくさん、写真に撮りきれないほどいるんです。すごく面白いでしょう?
どの子も最高に良い材料を使って、細かい所まで凝りに凝って作られているので、見れば見るほど先生の愛情あふれるもの作りに感動するのです。本当にものを作るっていいなあって心の底から思うんです。

そんな先生は、今年、この子達の個展を開催しようと思っているとか。先生と動物たちに会えるチャンスですね。私も立派に仕上げたブルーのケリーバッグを持って見に行かなくては。 「私も行きたい!」って思われた方がいらっしゃったらぜひご一緒いたしましょう♪

金田先生のぬいぐるみ動物園と、私のケリーバッグの完成をどうぞお楽しみに~

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