パスケースが完成しました。 切れ目仕上げとヘリ返し仕上げ

きれいな革小物って宝物感がありますよね。

鞄の学校を卒業して3年。この節目に、宝物みたいな小物制作にも挑戦してみることにしました。
作ったのは、「切れ目仕上げ」のシンプルパスケースと、「ヘリ返し仕上げ」の二つ折りパスケース。

革の仕立てで縫い目と同じくらい大切な、革の裁断面(コバ)の仕上げは、大きくわけると「切れ目仕上げ」「ヘリ返し仕上げ」の2種類があって、実は職人の腕の見せどころ。

「切れ目仕上げ」は、革の断面を磨きこんだり、塗料を塗ったりして仕上げる方法。

布と違い、ほつれて来ない革だからこそ出来る仕上げで、私には、ヤスリで磨いて、砥の粉を塗って、塗料を塗る木工の作業に近いように思えます。

 

今回のパスケースは磨きではなく、塗料を塗りました。

これは1度塗りの状態。


何度も塗って、乾かして。重なっている革が1枚に見えるまで、根気よく繰り返して仕上げます。

これは6回目塗ったところ。

OKでしょうか?

 

 

「ヘリ返し仕上げ」は、革の端を折って裁断面をくるむ方法。こちらはまるで洋裁の端ミシンみたいです。

 

折り曲げる分だけ大きく裁断した革を、出来上がりにきっちり折り、ミシンをかけて仕上げます。

直線部分は整然とした均一幅、コーナー部分は細かいひだを寄せながら、花が咲いたように仕上げるのが理想。

その、お花のようなコーナーは、「菊寄せ」という粋な名前で呼ぶくらい、職人の美意識が宿るところでもあります。
きれいなお花を咲かせるために、私もひたすら、ひたすら、練習、練習。

あ~ こういった細部を集めて作るから、宝物になっていくのね〜 と思いながら。

革小物の縫い目の横や、ポケット口に筋が入っているのをご覧になった事があるかもしれませんが、これはネン(念)と言って、メイクでいうならアイライン。引いてあるのとないのでは、美人度に格段の差がつきます。

熱した念引きという道具で線を引いて作るのですが、美人効果のほかに、熱で革の端を締めたり、密着させる役割も果たしているんですよ。

いかがでしょう。
皆様はどちらの仕上げがお好きですか。

こんな風に、小さな中にテクニックがたくさん詰まった革小物。
これからコインケースや、お財布も作っていきますよ。
宝物は、作る方が好きなんです。

いつかあなたの宝物も、作らせていただけたらうれしいです。

さて、週末はこちらも楽しみな革小物ワークショップ。今回はまだお席がございますので、直前の参加もお待ちしていますね~♪

“持ち歩きたくなるバイカラーのレザーブックカバー”

“ミシンで作る贅沢な革のがま口ポーチ”

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