ミューズの小さながま口


口金に革を巻いてがま口を作りました。
ひとつ、ひとつオリジナルの配色で、どの子にも名前がついています。

もの作りのスタートはいろいろで、
素材を見てインスピレーションを受ける。
感動や大好きなイメージを表現したいと思う。
憧れているものを作りたいと思う。
挑戦のために作る。
ご依頼をいただいた時は、その方のイメージを思い描きながら、ライフスタイルを考えながら作る。
などがありますが、デザイナーにミューズがいるように、イメージとなる女性(男性)の世界観をもとに作るのはとてもわくわくする事で、私の場合、自分だけ想いで作るものより、はるかに魅力のあるものが出来るように感じます。

という訳で、特定のモデルをイメージして、ストーリーを考えたもの作りが大好きな私。先日は、さまざまな配色の小さめの「がま口」を作ってみました♪

ミューズは、作家や画家、料理家などクリエイターの女性達(男性もいます。)です。
私は本を読むのが大好きで、読んだ本の中で印象的だった人がたくさんいて、革の色を見ただけで、その中の誰かが浮かび上がってくるほど。(大好きなのに強烈すぎて具現化できない人もいますが・・・)

それぞれ、誰をイメージして作ったか、ご覧になってくださいね。そして、「いや、これはこの人だ!」とか、「これ、私だなぁ」などと思われた方は、教えて頂けたらうれしいです。

「Julia」

アメリカの料理家 ジュリア・チャイルドです。この方はメリル・ストリープが主演の映画「ジュリー&ジュリア」でご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
とてもハッピーで可愛い方で、この本を読んで以来大ファンです。 だって、テレビの料理番組に出ているのに、お肉が焦げたり、クリームがうまく固まらなかったりしても、「大丈夫」って笑ってるんだもの~ もう最高! 実際、生きてるとそんな事ばかりだから、共感していた方はいっぱいいたと思いますし、彼女の生き方を見ていたら悲しい事も笑いに変えられるんだなあって思えて元気が出てくるのです。


ラブリーなところと、ダイナミックなところがミックスした、愛されキャラな彼女をモデルにしたがま口は、革は明るいカラーのゴート(子山羊)に、レトロな模様のヴィンテージの長襦袢を組み合わせました。

「Setsuko」

バルテュス夫人の節子・クロソフスカ・ド・ローラさんです。美智子妃殿下か節子さんかっていうくらいに素敵な方ですよね~

この方の本を読むと、忘れちゃいけないって思う事ばかりで、付箋だらけになってしまうのですが、特に着物について、日本語について書かれている所などは素晴らしくて、20世紀最後の巨匠と言われたバルテュスの審美眼(女性を見る目)はさすだと思ってしまいます。


柳宗悦の「西洋の美を真に知る者が、同様に東洋の美を真に知る事が出来るのである。」という言葉も、この方の事ではないかと思っています。彼女のがま口はイタリアのお城のイメージで、ブラウンと象牙色とゴールドのカーフ(子牛)、インナーにはヴィンテージのジャポニズム風の模様のスカーフを使っています。

「Anne」

飛行家チャールズ・リンドバーグ夫人のアン・モロー・リンドバーグがミューズです。知的できれいでクール、そして優しさがある素敵な方ですね。

彼女は「海からの贈り物」という本がベストセラーですが、中村妙子さんのすばらしい翻訳のせいか、私は「翼よ、北に」が好き。中でも、日本に来た時の様子を書いたところなど、何度読んでも心にじーんと沁みて来ます。

知性と上品さ、心に沁みる優しいまなざしを持った彼女のイメージは、サラサラとした手触りの白いカーフ(子牛)にシックな色の組み合わせ。インナーにはヴィンテージ着物の小紋で、女性らしさのある幾何学模様を選びました。

と、3つご紹介した所で、続きは次回のブログに書きたいと思います。
またぜひご覧になって、ご意見聞かせてくださいね。

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